どうもプロトリマー10年以上の『Hug店長』です(*^-^*)
お店でトリミングをやっていると、お家のペットのしつけで悩んでいる方から相談を受けたりしますが、お話を聞いていると
しつけの基礎が分かりにくいんだなぁ
と思うことが多いです。
『しつけの基礎』とは何なのか?というと、ペットとの信頼関係を構築する方法と叱り方&褒め方のことです。
確かに飼ったばかりのペットは可愛くって、ついつい甘やかしてしまいがちです
その気持ちは良くわかります!(;^ω^)
ペットを飼育している方の多くは、
せっかく飼ったペットだから愛情をかけてあげなきゃ!
と考えて接しているんだと思います。
しかし、大切なことは『愛情=甘やかす』ではないということです
せっかく飼ったペットを甘やかして育ててしまうと、
≪ペットのしつけの失敗例≫
●飼い主さんに噛みつく
⇒可愛いからと、ペットの甘噛みを容認してきた
●あちこちでトイレをする
⇒いつか覚えると思って真剣に教えてこなかった
●やたらと吠える
⇒どんな時に吠えるのか、何を要求しているのかを考える
●言うことを聞いてくれない
⇒ペットとの信頼関係が構築できていない
などなど、本当に様々な問題行動を起こしがちです。
せっかくペットを飼うなら楽しく・幸せなペットライフを送りたいですよね?
皆さんが楽しいペットライフを送るためには、ペットの躾方法は重要だと思っていますので、『ペットのしつけ方』というテーマで、何回かに分けてしつけに関する内容をブログで解説していこうと思います。
アメリカのドッグトレーナーから見ても「日本人は優しくて、ペットの躾が苦手な人が多い」と言われているので、本格的にしつけの勉強をすると、少し厳しい内容に感じてしまうかもしれませんが、楽しく・幸せなペットライフ♪の基礎であると認識をもって、参考にして頂けたら嬉しいです(^^♪
当ブログでは、ペットの躾で悩んでいる方に向けて7つのステップアップ形式で躾の説明をしていこうと思います。
思ったように躾が出来ないという方は、これから紹介する『ペットの躾の方法7ステップ』を参考にして実践して頂けたら、飼い主さんの躾レベルも上昇しますので是非お試しください!
【しつけの7ステップ】
①ペットとの信頼を構築する
②飼い主とペットの主従を明確にする。
③間違った躾と、正しい褒め方
④ご褒美の方法
⑤問題行動を明確にする
⑥問題行動の細分化
⑦躾の継続
①ペットとの信頼を構築する
『ペットとの信頼を構築する』ということは、これからペットを飼いたいと思っている方や、実際にペットの躾のやり方に困っている方にとっての基礎ともいえる内容です!
例えば、私たち人間であっても嫌いな人から言われた言葉は聞き入れがたいものがありますよね?
●新人の面倒を見ない上司
●コミュニケーションが取れない同僚
などから言われた言葉は、とても素直に聞けないと感じると思います。
同じようにペットからしても、
●遊んでくれない飼い主
●お世話や面倒を見てくれない飼い主
●食事をくれない飼い主
に対して信頼関係を築くことは困難でしょう。
信頼関係が構築できない状況だと犬から見た飼い主は「よそ者」や「嫌いな人間」として認識されるので、しつけを行っても敵対行動として認識されてしまいます。
そのため、しつけの最初のステップとしてやることは、ペットとの関係を良好するということですね。
では、具体的にペットとの信頼を構築する方法について見てみましょう(*^-^*)
ペットとの信頼を構築する方法
ペットとの信頼を構築する方法はいくつかありますので一つづつ見ていきましょう♪
スキンシップ・コミュニケーションをとる
ペットとのスキンシップは、コミュニケーションの基本であると同時に一番の愛情表現です。
常日頃、声を掛けながら『頭』『身体』『尻尾の付け根』あたりを撫でてあげると良いと思います。
ただし、ペットによっては触られるのを嫌がる箇所もあると思いますので、そういった箇所はあまり触らない様にしてあげましょう。
例えば、躾と称してペットの頭を叩いたことがある場合だと『頭』を撫でようとすると嫌がる場合があります。
撫でられることに恐怖を持ったままでは、スキンシップ全体に恐怖心を持ってしまい、しつけ以前にコミュニケーションを取ることもままなりません。
もし身体を触られることに苦手意識を持っている場合は、おやつを与えながら、ゆっくりと頭もしくは胴体をゆっくり撫でてあげましょう!
撫でてあげる時は話しかけてあげるとより効果的なので、たくさん声をかけて尻尾を振って寄って来てくれるのを目指しましょう!
ゴハンやおやつを与える
ペットは食いしん坊な子が多いです!
そうした食いしん坊さんに対しては、『ゴハン』や『おやつ』を与えるのは信頼関係を構築する最強のツールになりえます。
ただし、むやみやたらに与えるのではなく身体を撫でたりスキンシップを取りながらや、何かコマンド(お手・おすわり等)を出した成功報酬として与えるとより効果的です。
まずは、名前を呼んで寄ってきたら『おやつを与える』様にしてみるといいですね(*^-^*)
一緒にお散歩する
ペットは飼い主さんと一緒の時間を過ごすことが大好きです。
そんな欲求を満たしてあげる一つの方法が、『一緒の散歩の時間』ですね!
これは、私がペットホテルでお預かりしている時も、お散歩をした後とする前ではペットの態度が全然違ってくるので本当におススメです!
天気が悪い日などは無理しなくてもいいと思いますが、天気がいい日の一緒のお出かけは飼い主さんの気分も良くなりますし、コミュニケーションとしてもおススメなのでぜひ一緒にお散歩してみましょう。
お散歩をする時の注意点としては、歩くルートを飼い主さんが決めるということです。
犬の行きたいようにお散歩のルートを自由にさせてしまうと、犬は飼い主さんの言うことを聞かなくてもわがままを言えば自分の要求が通ると思ってしまう可能性があります。
そのため
●お散歩のルートは飼い主さんが決める
●歩く速さも飼い主さんに合わせてもらう
●お散歩中に、「マテ」や「オスワリ」をさせておやつを与える
などを行うと、より信頼関係が構築できると思いますので是非実践してみてください。
ペットとの信頼を構築する方法としておススメの3つの方法を紹介しましたが、
普通のことしか言ってないよね?
と思う方のいると思いますが、信頼を構築する方法で本当に大切なのは日々の愛情なので、日頃から一緒に遊んであげたり、ご飯を与えたり、お世話をするということを通じてペットから信頼を獲得しましょう。
②飼い主とペットの主従を明確にする
ペットとの信頼関係が構築出来たら、次に意識して欲しいのが
『ペットと飼い主さんの主従関係』です!
特に犬を飼育している場合は要注意です。
犬はオオカミから派生した生き物と言われていますが、オオカミの様に社会性(コミュニティ)を形成する生き物はリーダー(アルファとも呼びますが)などが群れを統率していることが多いです。
謂わば、上下関係がある生き物ですね。
そのため犬から飼い主さんが、自分より『下の立場』と認識されてしまうと
●言うことを聞かない
●わがままが増える
などの状態になってしまい、しつけが出来ない状態になりがちです。
自分の愛犬が可愛いあまりに、ついつい甘やかして飼い主さんがペットの召使い(?)のような状態になっていることがありますので、以下の行動は取らないように気を付けましょう!
【飼い主さんが召使い化してしまう行動】
●ペットが欲しがる度にゴハン・おやつを与える
⇒(ペットがうるさい時におやつを与えるなど)
●ねだられたら散歩に行く
⇒お散歩のルートも犬任せにしてしまう
●ペットが言うことを聞かなくても叱れない
⇒甘やかしてしまい、り方が分からない
上のような状況が続いていたら、それは飼い主(リーダー)ではなく、部下(目下の存在)として認識されているかもしれません。
「信頼を得るということは=甘やかす」ということではありません。
特に『ペットがうるさい時にオヤツ』を与えるのは、むやみに吠えるという問題行動に対してご褒美を与えてしまうやり方になりますので、絶対に与えてはいけません!
飼い主になるということは、ペットに関する全責任を負うことにもなります。
しつけを効率よく行うためにも以下の方法を実践して、しっかりとペットとの主従を明確にしましょう。
【主従関係を明確にする方法】
(1)甘噛みを絶対に許さない
(2)食事は飼い主さんの都合で与える
(3)お散歩のルートは飼い主さんが決める
上の3つは飼い主さんと犬との主従関係に大きく関わる要因になりますので、一つづつ理由などを解説していきます。
(1)甘噛みを絶対に許さない!
仔犬の時の甘噛みは、あまり痛くないし、可愛い行動に見えるためついつい許してしまいがちです。
でも、その甘噛みの意味を知っていますか?
【甘噛みの意味】
●食べ物かどうかの確認
●一緒に遊ぼうの合図
●主従関係の確認
一言で『甘噛み』といっても、犬のコミュニケーションとしては様々な意味を持っています。
特に「主従関係の確認」ということが重要です。
甘噛みを許す = 噛んでもよい対象として見られるということです。
つまり、ペットよりも下の立場に甘んじることにつながります。
犬のコミュニケーションを見ていても、仔犬が母犬に対して甘噛みをすることはありますが、母犬がそのまま許すことはしません。
強く噛まれたり、しつこかったりすると母犬は仔犬に対して軽く噛む、離れる、唸る等の方法で叱ります。
仔犬同士の兄弟・姉妹でも、甘噛みされたほうは同じく噛み返して喧嘩ごっこが始まります。
こうした喧嘩ごっこを通じて、力加減や犬同士のコミュニケーションを学びます。
ですから、これは飼い主さんに対しても同じことが言えます。
甘噛みに対して甘んじて受けるだけでは、仔犬は飼い主さんとのコミュニケーションを学べないまま大人になってしまいます。
その結果として、大人になってから力加減ができなかったり、飼い主さんを「噛みついても良い存在」だと認識してしまう可能性があります。
犬が飼い主さんを噛むようになると、思ったようにしつけることが出来ずに難易度がグッと上がってしまうので、こうした問題行動にならないようにしっかり主従関係を明確にしましょう!
【甘噛みへの対処方法】
甘噛みされたら、それは悪いことだとちゃんと教えましょう!
●大きな声でビックリさせる
●ペットをひっくり返して押さえつける
●口が開かないように押さえる
などが対処方法になります。
では、それぞれ具体的に説明します。
甘噛み対策① 大きな声でビックリさせる
仔犬が親犬に対してしつこく絡んだり、甘噛みが酷いときには親犬は仔犬の行動に対して唸り声を出して警告を行います。
犬の唸り声というのは、「これ以上やったら本気でいくぞ!」という警告なので、仔犬もその唸り声に警戒して問題行動を辞めるというケースがあります。
こうした行動からも、仔犬の甘噛みが酷い場合には
●犬の様に唸り声をあげる
●大きな声でビックリさせる
という2つが効果的です。
甘噛みに対しては、そのまま受け入れるという行動がNGなので、声で警告してあげるのはとても重要で効果的な方法になります。
唸り声を出す時にはなるべく低い声を心掛けると効果的なので、ぜひ試してみてください!
甘噛み対策② ペットをひっくり返して押さえる
これは犬同士でもやることですが、強い犬は下の犬を押さえつけることがあります。
これを飼い主さんがマネをすることで、より仔犬に伝わりやすくします。
ポイントとしては
【甘噛み対策①】
(1)噛まれた直後にすること
※タイミングを外すと、どの行動に対して怒られているのか伝わらない
(2)ひっくり返して、お腹を出させること
(3)押さえつけたまま少し我慢させること
が大事になります。
ペットにとってお腹を出す行為というのは、降参を表します。
つまり飼い主さんがひっくり返してペットのお腹を出した状態で押さえることで、飼い主さんの方が立場が上だと示すことが出来ます。
ただ、この時ひっくり返して直ぐに放してしまうと、仔犬にとって新しい遊びだと思われてしまうので、あくまで悪い行動に対しての罰ということを理解させるため、ひっくり返した状態で少し我慢をさせます。
仔犬がひっくり返されるのを嫌がったら放して、また甘噛みしたらひっくり返して押さえつけます。
これを根気よく繰り返すことで、飼い主さんには敵わないと理解させることで飼い主さんを強いリーダーとして見てくれるでしょう!
特に仔犬の場合は身体が細いので無理せず、ひっくり返して抱きかかえるだけでもオッケーです。
とにかく、ペットにとって罰を与えられたと理解させれば大丈夫です。
甘噛み対策③ 口が開かないように押さえる
ペットにとって口を抑えられるということは、とても嫌な行動なので自分に罰を与えられているという実感を与えます。
ですので、離した後はすぐに褒めてあげます。
また甘噛みされたら口を押えて、すぐ褒めるという様に繰り返します。
(2)食事は飼い主さんの都合に合わせて
ペットがお腹を空かせる度に飼い主さんがただ与えるだけでは、主従訓練になりません。
ですので、飼い主さんの都合で食事を与えるようにしましょう。
食事を利用した訓練は、大人のワンちゃんにとっても応用しやすいので是非試してみてください♪
【食事での訓練方法】
①食事の時間を決めない
②食べない時は取り上げる
③少量の食事を、回数多く与える(ひとくち給餌方)
の3つについて説明します。
①食事の時間を決めない
ペットは思っている以上に賢い生き物です。
食事を決まった時間に与えていると、ペットの方でもそのタイミングを覚えて、時間が来ると吠えたり、おねだりするようになります。
食事はあくまで飼い主さんが決めて与えるものだと教えることで主従訓練になります。
犬の食事時間を不定期にするメリットとしては
●時間が不定期なので予想が出来なくて吠えにくい
●飼い主さんの都合で給餌しやすい
という2つが挙げられます。
ですから、犬とのコミュニケーションでも
飼い主さんが食事を与えてくれたから食べられると理解させるように
●飼い主さんが先に食事をする
●おねだりしても無視をする
というポイントを理解して、食事を取らせると主従訓練として成立します。
②食べない時はとりあげる
これは、主従訓練の意味もありますが、ずっとフードを置いておくと
いつでも食べられると思ってしまい、いざ食べて欲しいときに食べないということが起こりやすいです。
そのため、ある程度の時間フードを食べない時は取り上げて、しばらくしてから再度与えることで、食べないと取り上げられるという危機感を持たせることが出来るでしょう。
取り上げた後に欲しがる時には、何かコマンド(マテやお手など)をさせてから与えるのも効果的ですね(*^-^*)
③少量の食事を回数与える(ひとくち給餌法)
これは飼い主さんが食事をコントロールしているという実感をより持ちやすくするための方法です。
『ひとくち給餌方』とも呼ばれる主従訓練のひとつになります。
例えば一日2回ゴハンをあげているとしたら、回数を5回などに増やす代わりに一回当たりの食事量を減らす方法です。
一回当たりの食事量が少なるので、ペットもお腹が満たされません。
ですので、再度少量の食事を取らせます。
この様に飼い主さんから一日に何度も食事を貰うことで、飼い主さんが食事をコントロールしているとペットに自覚させることで、飼い主としての価値を高めます。
飼い主さんが主体となって、ペットの食事を管理してしっかりとして主従関係を構築しましょう!
まとめ
本日は躾の第一段階として、『飼い主とペットの主従関係』について説明しました。
ペットとの楽しい生活を目指す上で、「ペットとの信頼関係の構築」と「躾」は必須です。
どんな訓練もペットと、飼い主さんとの間で良好な関係がなければ上手くいかないでしょう!
プロのトレーナーさんに依頼すると数十万円かかることもありますので、もし自分で愛犬の躾が出来たら数十万円浮いたのと同じ効果があります!
トレーニングを始めるための土台作りだと思って、愛犬との信頼関係をしっかり構築して繰り返しトレーニングを行いましょう(*^-^*)
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