マイクロチップの登録ちゃんと出来ていますか?
令和4年6月1日からブリーダーやペットショップ等で販売される犬や猫について、マイクロチップの装着が義務化されました。
つまり、これからブリーダーやペットショップ等で購入した犬や猫にはマイクロチップが装着された状態で引き渡されることになります。
マイクロチップを装着した場合には、飼い主としての情報登録が必要となるわけですが、
どうやって登録すればいいの?
マイクロチップの費用はどのくらいかかるの?
今飼っているペットにも必要なの?
など様々な疑問があると思います。
今回は、これらの疑問を解消するための内容になっています。
実際にマイクロチップを装着はしたものの、飼い主さんのデータが登録されていなかったという報告もありますので、マイクロチップへの理解を深めてしっかりと対応をしていきましょう(*^-^*)
1.どうしてマイクロチップの装着が必要になったの?
日本では1995年の阪神・淡路大震災の際に、多くの犬や猫が迷子になったことをきっかけに導入をめぐる議論が始まり、2019年6月に動物愛護管理法の一部を改正する法律が成立しました。
環境省によると、迷子や飼育放棄などで自治体に引き取られる犬と猫は2020年度には7万2000匹余りに上り、その引き取られた犬や猫の対応が課題となっています。
2.マイクロチップを装着するメリット
マイクロチップの装着が義務化するメリットとしては、
【マイクロチップを装着するメリット】
①迷子になった際や災害で離れてしまった際に飼い主を見つけやすい
②安易な遺棄の防止が期待できる
③ペットの盗難の抑制
では、それぞれのメリットについて詳しく解説していきます(*^-^*)
①迷子になった際や災害で離れてしまった際に飼い主を見つけやすい
ペットと一緒に暮らしていると、ふとした瞬間にペットの姿が見つからない!という経験は意外と多いものです。
実際に迷子になったペットを探している店頭の掲示板や、SNSでペット捜索の情報を見かけることも珍しくありません。
マイクロチップを装着しておけば、保護された時にマイクロチップから飼い主さんの連絡先を読み取って、無事に見つかった報告を受けることも可能になります。
逆に迷子のペットを見つけた時には、マイクロチップを読み取ることが出来る警察署や保健所で確認をしてもらうといいですね♪
②安易な遺棄の防止が期待できる
捨てられてしまったペットを見つけたことはあるでしょうか?
捨てられたペットは雨・風にさらされて、時には震えていたり、泥だらけになっていたりと居た堪れない姿になっています。
トリミングの仕事をやっていると、捨てられていたペットを保護した飼い主さんからシャンプーやトリミングの依頼を頂くことも珍しくありません。
もし今後こうして捨てられたペットがマイクロチップを装着してあれば、保護したペットの飼い主さんを探すことも可能になります。
意図して捨てた場合は、 元の飼い主さんがまた飼うことはあまりないかもしれませんが、もし保護したのが警察だった場合は元の飼い主さんに罰則があるかもしれません。
動物の愛護及び管理に関する法律により、愛護動物を遺棄した者は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処することとされています。
③ペットの盗難の抑制
人懐こいペットや、珍しいペットが盗難されるケースは度々ニュースになりますね。
盗む人は様々な目的でこうした犯罪行為を行っていると思いますが、マイクロチップによってこれらの犯罪行為が明らかになる可能性があります。
マイクロチップには本来の飼い主さんの情報が入っているので、もしも何かの拍子にマイクロチップを読み取った際に、今の所有者とマイクロチップの情報が全く違う場合は盗難などの可能性を疑われるかもしれません。
マイクロチップを入れるメリットは以上の3点になります。
上記の3つに関してはある程度効果があると思います。
しかし、マイクロチップを装着するデメリットも存在するので、デメリットについても知っておきましょう!
3.マイクロチップを装着するデメリット
【マイクロチップ義務化のデメリット】
①費用が数千円かかる
②マイクロチップを装着する際の事故
③専用の読み取り機がないと確認が出来ない
①費用が数千円かかる
昨今のコロナウイルスの影響や、動物愛護法の厳罰化の影響で犬や猫などの生態の価格が上昇していますが、今回のマイクロチップの義務化ではブリーダーやショップで販売される生態すべてにマイクロチップの装着をしなくてはいけません。
マイクロチップの装着の費用は店舗で負担するわけですが、そうした費用は販売される生態の販売価格にプラスされてしまい、結果として購入する飼い主さんへの負担へとなってしまいます。
また、装着費用の他にマイクロチップに飼い主さんの情報を登録するための費用もプラスになるので、金額的な負担と手間が増えてしまうのが気がかりですね💦
一般的なマイクロチップを装着する費用としては、\3,000〜\5,000位を目安に装着と飼い主さんの情報登録を行っている様です。
麻酔が必要なときには上記の料金にプラスになるようなので、ご自分でマイクロチップの装着をお願いする時には動物病院の先生に相談してみましょう。
②マイクロチップを装着する際の事故
マイクロチップを装着する際は、上の写真にある特殊な形の注射器(インジェクター)でペットの肩〜首辺りにチップを挿入します。
その際に麻酔をかける訳ではないので、動く動物を相手に注射を打つための技術が必要だったり、正確にマイクロチップを挿入する技術が求められます。
深く刺してしまうと、神経を傷つけてしまったりだとか、筋肉を傷つけてしまったりする原因になるようなので、マイクロチップを装着する時は慣れ親しんだ動物病院で打ってあげたいですね。
③専用の読み取り機がないと確認が出来ない
マイクロチップを装着していたとしても、マイクロチップに飼い主さんの情報が登録されていなかったり、保護された場所にマイクロチップを読み取る機械がないと全くの無意味になってしまいます。
基本的に警察署や、保健所には専用の読み取り機が設置してあるので問題はないと思いますが、個人で保護した場合は確認が出来ないことになります。
また、装着されたマイクロチップが壊れていたり、何かしらの理由で読み取れない場合も本領を発揮できないことになります。
マイクロチップは補助的な役割だと認識したうえで、ペットの首輪に飼い主さんの連絡先などを記入して、保護してくれた人がすぐに連絡を取れるようにしておくと、よりスムーズに連絡のやり取りが出来るかもしれませんね(*^-^*)
4.マイクロチップの仕組み
マイクロチップの必要性について解説しましたので、次は構造や仕組みについてみてみましょう。
①マイクロチップって、どうなっているの?
マイクロチップは、直径1.2mm、長さ8mm程度の円筒形で、外側に生体適合ガラスやポリマーを使用した電子標識器具です。
マイクロチップには世界で唯一の15桁の数字(ISO規格の個体識別番号)が記録されており、この識別番号をマイクロチップの専用リーダー(読取器)で読み取ります。
読み取られた15桁の番号を特定の機関に問い合わせをすることで、登録された情報を照会することが可能になります。
マイクロチップはGPSのように自ら電波を発信することはありませんが、専用リーダーの電波に反応して識別番号を送り返すことができるため、電源を必要としません。
耐久年数は25年くらいと言われているので、ペットに一度装着した場合、交換する必要がないと言われています。
品種にもよりますが、犬は生後2週齢、猫は生後4週齢頃から埋め込むことができるとされています。
②マイクロチップはどこで装着出来るの?
動物病院などで獣医師が専用の注入器(インジェクター)を使って皮下に埋め込みます。一度埋め込むと、首輪や名札のように外れ落ちる心配が少なく、半永久的に読み取りが可能な個体識別証になります。
5.マイクロチップの登録方法
犬や猫にマイクロチップを装着した獣医師からは「マイクロチップ装着証明書」が発行されます。
このマイクロチップ装着証明書は、飼い主の情報をデータベースへ登録する際に必要になりますので、なくさないように大事に保管してください。
※動物病院によっては、マイクロチップの装着と飼い主さんの情報登録を一緒にやってくれるところもあったりします。
もしも、自分で登録を行う場合はスマートフォンもしくは、パソコンで環境大臣指定登録機関として指定されている「犬と猫のマイクロチップ情報登録」というサイト(公益社団法人日本獣医師会で運営)で登録するのがベストです。
注意しなくてはならないのが、マイクロチップの登録団体が複数存在しており、各々が情報を個別で管理していて他の組織と情報共有をしていないので登録団体によっては、飼い主さんの登録の検索をすることができずに、無意味になってしまうことがあります。
そのため、もしもペットショップでマイクロチップの登録がされている場合は、登録先についてちゃんと把握していなくてはなりません。
では、環境省の登録先以外にどういった登録団体があるのでしょうか?
◆マイクロチップの登録機関が複数ある?
【マイクロチップの民間登録団体例】
●AIPO(アイポ)
●Fam(ファム)
●JKC(ジャパンケンネルクラブ)
動物ID普及推進会議(AIPO)
民間登録団体の中で最も登録数が多いのが、動物ID普及推進会議(AIPO)です。マイクロチップによる動物個体識別の普及推進とデータ管理を行っている組織です。英文名のAnimal ID Promotion Organizationの頭文字をとって、AIPO(アイポ)と略称します。
公益財団法人日本動物愛護協会(本協会)、公益社団法人日本動物福祉協会、公益社団法人日本愛玩動物協会、公益社団法人日本獣医師会の4団体で構成されており、事務局は日本獣医師会内にあります。
ファミリーID管理機構(Fam)
Fam(ファム)とはFamily association of management(ファミリーID管理機構)の略称です。
一部のペットショップでは購入時にFamへの加入が義務化されているようですが、まだ歴史の浅い団体のため登録数は少なく、Famに加入していたとしてもマイクロチップの情報検索の際に検索されない可能性があるので、すでにFamに加入している場合は、Famの他に環境省のサイトへも登録をしておいた方が良いかもしれません。
JKC(ジャパンケンネルクラブ)
JKCは血統書を発行していることで有名な一般社団法人さんです。
JKCのホームページでも、マイクロチップの登録は環境省の指定登録団体である日本中医師会への登録が必要としておりますが、一応JKCでも別途登録と情報の管理を行っているようです。
大手の組織であることは間違いありませんが、マイクロチップの登録においてはメジャーではないのでJKCにマイクロチップの登録を行っている場合は、環境省のサイトへも登録をしておいた方が良いでしょう。
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以上の3つがマイクロチップの民間登録団体として紹介しましたが、いずれにしても環境省のサイトにも一緒に登録を行っておいた方が良いでしょう。
令和4年6月30日までAIPOやFamなどの民間登録団体に既にマイクロチップの登録を行っている人を対象に、無料で環境省のデータベースにも情報の登録を行うサービスをしている様なので、まだ登録が済んでいない片はコチラの移行サイトから登録することをおススメします!
※こちらのサービスは令和4年6月1日以前に登録を行った人が対象となります。
【環境省データベースへの移行登録受付サイト】 https://www.aipo.jp/transfer
6.現在飼育しているペットにもマイクロチップをしないといけないの?
令和4年6月1日から、ブリーダーやペットショップに対してはマイクロチップの装着が義務化されましたが、それ以前から飼育しているペットに関しては努力義務ということになります。
言い換えると
出来ればマイクロチップを装着してね
ということになります。
災害時のことや、脱走・盗難などの対策や予防にもなりますので、心配な方はマイクロチップの装着をしておくのも良いですね。
7.マイクロチップの登録費用はどのくらい?
登録機関や登録方法によって登録料は違ってきます。
環境省のデータベースの登録の場合は、1件当たり300円で登録が可能です。
パソコンやスマートフォンを使用し、環境省の登録サイト(https://reg.mc.env.go.jp)へアクセスして、登録へと進むことで完了します。
※マイクロチップ装着証明書が必要になりますので事前に用意しておきましょう。
犬と猫のマイクロチップ情報登録における手数料
- マイクロチップ情報の登録 300円/件
- 所有者の変更登録 300円/件(所有者が変わる場合)
- 登録証明書の再交付 200円/件
- 登録事項の変更届出 なし(所有者自身は変わらず、住所や電話番号等の登録事項が変わる場合)
- 死亡の届出 なし
支払いはクレジットカードもしくは、PayPayでお支払いが可能の様ですので、サイトの案内に従って登録を進めましょう(*^-^*)
まとめ
【マイクロチップのまとめ】
●マイクロチップにはメリットとデメリットがある
●マイクロチップの装着が義務化されたのは、ブリーダーやペットショップが対象
●ご家庭ですでに飼育しているペットに関しては努力義務
●マイクロチップを装着するだけでは意味がないので、装着後は情報の登録を行う
●登録機関は複数あるが、環境省のデータベースに登録を行う
以上が、マイクロチップの紹介になります。
ご不明な点や分かりにくいところもあるかもしれませんが、「もっとこういう情報を知りたい!」などあればコメント頂ければ嬉しいです(*^-^*)
詳細は環境省のホームページをご覧いただければと思いますので、気になる方はコチラもご覧ください。
【環境省】https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/pickup/chip.html
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