10年以上プロトリマーをやっている『Hug店長』です(*^-^*)
私自身もそうですが、トリマーになる時にはペット美容の専門学校を卒業して、就職活動を通じてプロとしてデビューするというのが一般的な流れになります。
なぜ一般的な流れと説明したかというと、トリマーという仕事は『漢字検定』などと一緒で民間資格なので、資格がなくても法律上は仕事が可能です!
ですが法律上は可能だとしても、企業側としては少しでもトリミングが出来る子を入社させたいので、就職活動をする際に全く実績がない場合だと、まず就職することは不可能です。
そのためトリマーとして就職するためには、『専門学校を卒業している』もしくは『JKCのトリミングの資格を持っている』など実績(資格)が必要になります。
なんといってもペット美容の専門学校を卒業していると就職する時の最大の実績になりえますので、今回はトリミングの専門学校では、どんなことを学んでいるのかについて説明したいと思います。
【専門学校で学ぶこと】
①トリミング道具の使い方
②技術の習得
③座学でペットの歴史を学ぶ
④資格の習得
①トリミング道具の使い方
トリミングを行う時は様々な道具を駆使して、ペットの美容を行います。
その道具一つ一つが専門的な技術を要するので、ペット美容の専門学校では「ペット美容学」などの名称の授業で道具の使い方をしっかり学ぶ必要があります。
トリミングで使用する道具というのは、特殊な形状をしていたり、使い方を誤るとペットに怪我をさせる可能性もあります💦
では、実際にどんな道具を使用してトリミングを行っているのか、いくつか紹介いたします!
●スリッカーブラシ
スリッカーブラシは、ペットのお手入れには必須のアイテムです!
その用途は多岐にわたり、毛玉・もつれ取り、整毛などこのブラシ一つで全て行うことが出来ます!しかし、その独特な形のため持ち方や、力加減などの技術をしっかり学ばないと使いこなすことは難しいです。
また、スリッカーブラシは「ソフトタイプ」と「ハードタイプ」があり、その用途によって使い分けたりします。
私は、力加減がしやすいソフトスリッカーを一本持っているだけですが、人によっては柴犬やゴールデンレトリバーの様に、抜け毛が多い犬種にハードスリッカーを使用することがあります。
●コーム
コームは、全身のもつれ取りや整毛など普段のお手入れでも使用しますが、トリマーにとってはペットの毛をカットする際に毛を起こしたり、毛の向きを確認したりする時に使用する必須アイテムです。
●バリカン(クリッパー)
バリカンはトリミングの時間短縮には欠かせないアイテムですね。
使用方法は簡単に見えますが、キレイに仕上げるためにはバリカンを入れる方向や角度に気を付けたりとコツがいるので学校でしっかり学びましょう!
また長く使用するためにもメンテナンスの方法も知っておくと、かなり重宝されますよ!
●トリミングシザー
トリマーにとって、ハサミも必須アイテムですね!
美容で使用するハサミは、特殊な構造をしているためかなり高額になりがちです。
およそ¥10,000〜¥100,000位の幅で多種多様です。
また、一言でハサミといっても
ストレートシザー、スキバサミ、ボブバサミ、カーブシザーなど
形や使用用途に違いがあったり、材質も、一般的なステンレス、コバルトなど様々です。
トリマーによって、こだわりがあったりするので、シザーケースに注目するのも楽しいかもしれませんね(*^-^*)
②技術の習得
道具についての勉強の後は、技術面の取得になりますね。
専門学校で学ぶことの意義のほとんどは技術習得のためにあるといっても良い位です!
実際のところ、学校でトリミングの技術を学のだとしても、いざ現場に出てみたら思うようにトリミングできずに、先輩に怒られたり、様々な失敗をしたりと自信喪失することもあると思います。
ですが、もし専門学校を卒業していなかったら就職も出来なかったでしょうし、何より専門学校で学んだ知識や技術・経験は何よりの宝になりえます。
トリミングのプロとして現場での経験も大切ですが、なにより学校で学ばないことには技術を習得するための基礎が身につかないので、学校での授業や実習はしっかりと受けることをおススメします(*^-^*)
●シャンプー&ブロー
ペットをキレイにするためには、ペットの状態に合わせたシャンプー剤でしっかり洗うことが大事です。
例えば、肌が弱い子に刺激の強いシャンプーを使用してしまうと肌荒れを起こしますし、
逆に外飼いで汚れている子にマイルドなシャンプーを使用していては、いつまで経ってもキレイにならないことになります。
そうした、状況に合わせたシャンプーやリンスを学ぶことで、より良い仕上がりを目指すことが出来ます。
洗った後はブロー(ドライヤー)で乾かす必要がありますが、このブローも技術を必要とします。
被毛はタンパクで構成されるために熱に弱く、乾かし方が悪いと毛がボロボロになったり、縮れてしまったり、身体から臭いが出たりと仕上がりの良し悪しに直結するので、ちゃんとした方法で乾かすことが大事です。
●トリミング技術
トリミング技術は、バリカンやハサミを使用してペットをキレイにトリミングするための技術です。
トリミングの技術はキレイに形を作ることから学びますが、現場に出ると時間内にキレイに仕上げることを強いられます。
実際、専門学生の場合だと一日がかりでプードルなどを仕上げますが、現場でプロとして働くのであれば2~3時間以内に仕上げることを目標にしなくてはいけません!
また、犬種によって人気のカット内容が違います。
トイプードル⇒テディベアカット
シュナウザー⇒シュナウザーカット
ポメラニアン⇒柴犬カット
などが例に挙げられます。
しかし、いきなりお客様から
シュナウザーカットして下さい!
と言われても、どの様にカットすればいいのか形状が分かっていないとトリミング以前の問題です。
プロとしてトリマーをやる以上は、こうしたトリミングの形状についても学校でしっかり学ぶ必要があります。
●保定の習得
保定は動き続けるペットの動きを制限するための技術になります。
主に左手でペットの保定を行い、右手でブラシやトリミングを行うので、人間の美容師さんみたいに櫛を持ちながら毛のカットをするということはタブーになります。
何より、ペットが自由に動いてしまうと思いがけない事故やケガにつながることも十分にあるので、この保定技術は全てのトリミング業務の作業効率に関係します。
特に高齢のペットを担当するときには重宝することでしょう。
③座学でペットの歴史を学ぶ
トリマーとして就職する場合、就職する店舗によっては生態販売も受け持つことがあります。
これは主にホームセンターのトリマーさんに良く見られる傾向ですが、私も最初の就職はホームセンターでしたので、生体の管理から販売までを担当しながらトリミングを行っていました。
生態販売はお客様にペットの飼い方や、犬種ごとの生態について説明しなくてはいけないので、そうした基礎となる知識を学校で学ぶことが重要になります。
実際には「犬種学」などの名称で授業があると思いますが、どういった内容を学ぶのかいくつか紹介いたします。
●犬種ごとの原産国
現在ペットショップで販売されている様々な犬種ひとつひとつに歴史があり、それぞれ交配されてきた目的や歴史があります。
例えば、犬種ごとの原産国だけでも様々で
柴犬 ⇒日本
プードル ⇒フランス
アメリカンコッカースパニエル ⇒アメリカ
キャバリア ⇒イギリス
マルチーズ ⇒マルタ島
等のように、犬種ごとに原産国が違っており、その犬種が作出されるまでも様々な歴史があります。
こうした犬種ごとの歴史を学ぶことで、その犬種の性格傾向や、サイズ、飼い方なども一緒に学ぶことができます。
生体販売を受け持つ際には大変役に立ちますし、トリマーとして様々な犬種・猫種に関わることも考慮してしっかりと学びましょう!
●JKCで認められている犬種の情報
JKC⇒ジャパンケンネル協会
という大きい団体がありますが、この機関では血統書というものを発行しています。
またJKCでは、トリミングの試験を行ったり、犬種ごとの理想とされるサイズ・体重・性格なども規定されています。
ブリーダーとして働くときには、こうした犬種ごとの理想の形を目指して交配することになると思いますし、トリマーとしても犬種ごとのサイズやカラーバリエーション、かかりやすい病気について知っておくと飼い主さんにアドバイスする機会が増えると思います。
飼い主さんに喜んでもらえるトリマーとして活躍するためにも、様々な知識をみにつけましょう!
④資格の習得
専門学校では、その業界で活躍するために必要な知識と資格を習得することができます。
特にちゃんと目的に合った資格は就職する際の武器として役に立ちます。
例えば、面接で学校で頑張りましたと伝えるだけよりも、頑張ってこの資格を習得しましたと伝える方が、自分の努力や頑張りを見てもらえると思いますし、中には特定の資格がないと出来ないこともありますので、なるべく就職で活用できる資格を習得しましょう!
●JKC主催のトリマー資格
日本で血統書を発行しているJKCでは、筆記と実技によるトリマーの試験を実施しています。
この資格はとても有名で、既定の時間内に一定以上のクオリティでペットのトリミングを仕上げないと合格することができないので、この資格を持っていると現場で即戦力として活躍できるトリマーとしてアピールすることができます。
更新にもお金がかかってしまうので、就職後には更新しないで資格を消失させてしまうトリマーさんも珍しくありませんが、就職ではよいアピールになりますし、転職する際も資格を更新していれば有利になると思います。
是非一度挑戦して、受けてみましょう!
●愛玩動物飼養管理士
犬・猫だけではなく、ハムスターなどの小動物の生態に関する知識も問われる試験です。合格率自体は高いですが、試験を受けるために¥30,000ほどの金額がかかってしまうこともあり、学生さんで持っていると就職で有利にみられます。
この資格は、幅広い生態の知識が求められることもあり、ホームセンターの様に様々な生き物を管理している場所や、『動物取扱責任者』の資格保持者を欲しがっているトリミングサロンではかなり良いアピールポイントになると思います。
独立・開業する場合でも役に立つので、ぜひこの資格は取得しておきましょう!
●ビジネスマナー検定
専門学校に入学しても、その業界の現実を目の当たりにして他の道に就職することも珍しくありません。
ましてやトリマーは離職率が高い職業として有名なので、無事トリマーになれたとしても何かのきっかけに転職することも多い業界です。
そうした時に備え、一般職でも役に立つ様に様々な資格をとることで天職という方法をとりやすくなります。
その一つの例として、ビジネスマナー検定は役に立つと思います。
ビジネスマンとして知っておかなくてはならない、名刺交換の仕方、お茶を皆さんに渡すときの順番やサイドテーブルの使い方、タクシーや座席の上座についてなど、実際に一般職に就いた時に仕事が出来る人間として評価される要素が詰まっています。
勿論他にも、簿記検定、販売士検定など事務職としてや、販売業として就職・転職に役に立つ資格もありますので、これらの資格を持っておくといつか役に立つかもしれません。
自分の将来設計や、もしもの時の備えとして様々な知識・経験・資格・技術を取得して、より良い人生を構築しましょう(*^-^*)
まとめ
トリマーとして就職するときには、ペット美容の専門学校を卒業することが重要です。
トリマーは美容業ではありますが、ペットの命を預かる仕事でもあるため、実績のない人間を採用する企業は皆無です。
専門学校では、実践的な技術・知識の他にも、様々な資格を取ることができるため、専門学校に入学したら、積極的に資格の勉強をすることを強くお勧めします。
トリマーになる方法として記事も作ってますので、コチラも参考にしてみてください!
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